産後の腰痛はなぜ起こる?産後の身体の変化と腰を守るためのポイント
2026/10/09
「出産してから腰が痛くなった」「抱っこをしていると腰がつらい」「朝起きる時や、床から立ち上がる時に腰が痛む」産後、このような腰痛に悩まれる方は少なくありません。
妊娠・出産によって、お腹や骨盤周囲の筋肉は妊娠前と同じようには働きにくくなっています。また、妊娠中から産後にかけてはホルモンの影響などによって、骨盤周囲の関節や靱帯の支持性にも変化が起こります。
さらに、その状態で抱っこ・授乳・おむつ替えなどの育児が始まります。
この3つの条件が重なってしまっているので腰にはとても大きな負担がかかりやすくなっているのです。
今回は、産後に腰痛が起こりやすい理由と、腰への負担を減らすために知っておきたいポイントについて解説していきます。
産後は「身体を支える筋肉」がうまく使いにくい
妊娠中は赤ちゃんの成長とともにお腹が大きくなり、腹部の筋肉は長期間にわたって引き伸ばされます。
そのため出産後、お腹が小さくなったからといって、腹部の筋肉がすぐ妊娠前と同じ状態に戻るわけではありません。特に産後に大切なのが、身体の深部にある「インナーユニット」と呼ばれる筋肉の働きです。
インナーユニットは、横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群 の4つの筋肉から構成され、これらが協調して働くことで腹腔内の圧力(腹圧)を調整し、腰椎や骨盤を安定させています。イメージとしては、身体の内側にある天然のコルセットのようなものです。
お腹を思いきり固めるのではなく、呼吸をしながら適度な腹圧を保つことで、動作中の腰や骨盤を支えてくれているのです。
骨盤底筋も腰を支える大切な筋肉
骨盤底筋というと「尿漏れを防ぐための筋肉」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
もちろんそれも重要な役割ですが、骨盤底筋は尿漏れだけに関係する筋肉ではありません。骨盤の底から内臓を支え、横隔膜や腹横筋、多裂筋などと協調して腹圧を調整する役割があります。
妊娠中は大きくなった子宮を支え、出産時にはさらに大きな負担がかかります。そのため産後は、骨盤底筋を含めたインナーユニットがうまく協調できず、必要な時に適度な腹圧をかけにくくなっていることがあります。
身体の内側から腰や骨盤を支える力が十分に使えないまま、赤ちゃんを何度も抱き上げたり、長時間抱っこしたりすれば、腰の筋肉や関節に負担が集中しやすくなります。
だからこそ産後は、ただ「腹筋を鍛える」のではなく、まずインナーユニットを使い、呼吸とともに軽く腹圧をかけられるようにしていくことが大切です。
産後は関節の支持性も回復途中
妊娠中は、出産に向けて身体にさまざまな変化が起こります。そのひとつが、リラキシンなどのホルモンの影響による靱帯や結合組織の変化です。スムーズに出産できるように結合組織を柔軟にするのです。
出産後も身体がすぐに妊娠前の状態へ戻るわけではなく、特に産後早期は骨盤周囲を含め、身体を支える機能がまだまだ回復していく途中です。さらに腹部や骨盤底筋の機能もまだ十分に戻っていない時期です。
関節の支持性が回復途中で不安定な上に、内側から支える筋肉もまだうまく働けない状態、そこに毎日の育児で抱っこや立ったり座ったりが繰り返されるのです。これが産後腰痛が起こりやすい原因のひとつです。
産後早期には骨盤ベルトを上手に利用するのもひとつ
産後早期で骨盤周囲に不安定感がある場合には、骨盤ベルトを補助的に使用する方法もあります。ここで大切なのが、骨盤ベルトを巻く「位置」です。
骨盤ベルトは、お腹やウエストを締めるものではありません。目安になるのは、左右の骨盤の前側に触れる硬い骨(上前腸骨棘)よりも下の位置です。骨盤の上ではなく、骨盤を外側から支えるように低い位置に巻きます。
前側では恥骨付近、横では股関節の出っ張り(大転子)周辺を目安にすると位置が分かりやすくなります。
ウエスト付近に巻いてしまうと、本来支えたい骨盤を十分にサポートできません。また、強く締めればよいというものでもありません。苦しいほど締めつけず、「動いた時に少し支えられている」と感じる程度を目安にしましょう。
骨盤ベルトは身体を永久に固定するためのものではなく、身体の支持機能が回復していくまでの時期に、必要に応じてサポートしてくれる道具として考えるとよいでしょう。
毎日の「抱っこ」という負荷
そして産後の腰痛を考えるうえで外せないのが、育児による身体の使い方です。赤ちゃんを抱っこすると、当然ですが身体の前側に重さが加わります。
すると、その重さとのバランスを取るために上半身を後ろへ反らしたり、骨盤を前へ押し出したような姿勢になったりすることがあります。また、片側ばかりで抱っこしていれば、身体を横へずらしたり、片方の骨盤に体重を乗せたりするクセもつきやすくなります。
一回数分なら問題にならなくても、抱っこは毎日のこと。身体を支える機能がまだ回復途中の時期に、こうした姿勢を繰り返すことが腰への負担につながります。
抱っこ紐のつけ方も腰痛に関係します
「抱っこ紐をすると腰が痛くなる」という方は、抱っこ紐のつけ方も一度確認してみましょう。特に多いのが、肩紐などのベルトが長すぎて赤ちゃんの位置が低くなっているケースです。
赤ちゃんが身体から離れた低い位置にいるほど、重さによる負担は大きくなり、身体はバランスを取るために腰を反らせやすくなります。
抱っこ紐を使用する際は、
- 赤ちゃんの位置が低すぎない
- 赤ちゃんと自分の身体の間に大きな隙間がない
- 左右のベルトの長さが適切
- 腰ベルトが緩すぎない
- 装着した時に腰を大きく反らさなくても立っていられる
といった点を確認してみましょう。
抱っこ紐そのものが身体に合っていない場合もあります。毎日長時間使うものだからこそ、「なんとなく装着する」のではなく、自分の身体と赤ちゃんに合った位置に調整することが大切です。
産後から始めたい「ドローイン」
産後の身体に必要なのは、いきなり強い腹筋運動をすることではありません。まずは呼吸をしながらインナーユニットを働かせ、軽い腹圧をかける感覚を取り戻していきましょう。
そこで、おすすめなのが「ドローイン」です。
【ドローインの方法】
- 仰向けになり、両膝を立てます
- まずは力を抜いてゆっくり呼吸します
- 息を吐きながら、下腹部を薄くするようなイメージでお腹を軽く引き込みます(この時、お腹を思いきりへこませる必要はありません)
- その状態で自然な呼吸を数回続け、力を抜きます
「強く力を入れる」よりも、呼吸を続けながら軽い腹圧を保てることを意識してみましょう。
骨盤を動かす練習(骨盤腹筋)
もうひとつおすすめしたいのが、仰向けで骨盤を小さく動かす運動です。
【骨盤腹筋の方法】
- 仰向けで膝を立て、腰を強く反らしたり押しつけたりせず、まず楽な位置を探します
- そこから骨盤をゆっくり前後に動かします
- 腰を反らす方向、腰を床へ近づける方向へ、痛みのない範囲で小さく動かしてみましょう
産後は「鍛える」ことばかりに目が向きがちですが、まず自分で骨盤を動かし、その動きをコントロールできるようになることも大切です。
慣れてきたら、呼吸やドローインと組み合わせて行ってみましょう。
産後の腰痛は「骨盤の歪み」だけではありません
産後の腰痛には、
- 妊娠・出産による腹部や骨盤底筋などの機能変化
- 身体を支える組織が回復途中であること
- 抱っこなどによる重心・身体の使い方の変化
が複合的に関係していることがあります。
そのため、腰が痛いから腰の筋肉だけをほぐす、骨盤が歪んでいるから骨盤だけを整える、という考え方では十分ではない場合があります。
当院では、腰椎や骨盤、股関節などの関節の動きだけでなく、腹部や骨盤底筋を含めた体幹機能、姿勢や動作などを確認しながら、その方の腰に「なぜ負担がかかっているのか」を考えていきます。
必要に応じてカイロプラクティック・整体による施術を行い、さらにご自宅で行えるエクササイズや、抱っこなど日常生活での身体の使い方もお伝えします。
産後の身体は、妊娠前の状態へ一瞬で戻るものではありません。
施術によって身体を整えることに加え、身体の内側から支える機能を少しずつ取り戻し、育児の中でも腰に負担を集中させない身体の使い方を身につけていくことが大切です。
産後の腰痛や骨盤周囲の痛み、抱っこをしている時の腰のつらさなどでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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西船橋駅前整体院
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