産後の足裏の痛みはどうして起こる!?身体の変化と足裏との関係
2026/08/15
産後の足裏の痛みは、腰痛や肩こり、骨盤まわりの痛みなどに比べると、産後の不調としてはあまり知られていないかもしれません。ですが、実際は「出産してから、なぜか足の裏が痛くなった」「朝起きて最初の一歩で、かかとが痛い」「抱っこをしていると足裏が痛くなってくる」などの声もたびたび聞かれます。
足裏が痛くなると、「歩きすぎたかな?」「体重が増えたからかも」「靴が合わない?」と足だけの問題として捉えてしまいがちですが、産後の足裏の痛みを考えるときには、それだけではなく妊娠中から続く身体全体の変化にも目を向ける必要があります。
かかとの痛みでよく知られている「足底腱膜」
足の裏には、かかとの骨から足の指の付け根に向かって広がる「足底腱膜」という組織があります。
足底腱膜は、足裏にあるアーチ構造を支え、歩いたり立ったりするときに足へ加わる衝撃を受け止める役割を担っています。
ところが、足底腱膜に繰り返し強い負担が加わると、かかと付近を中心に痛みが出ることがあります。よく知られているのが「足底腱膜炎」です。
特徴のひとつが、「朝起きて最初の数歩が痛い」という症状。
しばらく歩いていると少し楽になるけれど、長時間立ったり歩いたりするとまた痛くなる、というケースもあります。ただし、かかとが痛いからといって、すべてが足底腱膜炎とは限りません。
だからこそ、痛い部分だけを見るのではなく、なぜそこに負担がかかっているのかを考えることが大切です。
妊娠中から大きく変化する重心
妊娠すると、お腹は数か月かけて少しずつ大きくなっていきます。当然、身体の前側の重量も増えていきます。
それでも私たちは倒れずに立ち、歩かなければなりません。そのため身体は、妊娠前とは違う方法でバランスを取るようになります。
骨盤の位置、胸郭の位置、股関節や膝、足首の使い方など、身体のさまざまな箇所で無意識に少しずつ調整が入ります。さらに妊娠中は体重そのものも増加するため、身体の一番下で支えている足には、それまで以上の負荷がかかります。つまり足は、妊娠中の何か月もの間、「増えた体重」と「変化した重心」を支え続けているということになります。
足裏のアーチにかかる負担
足にはアーチがあります足を横から見ると、土踏まずの部分は地面から浮いています。これが足の内側縦アーチです。他にも外側の縦アーチ、横アーチがあり、それらがバネのように働くことで、地面から受ける衝撃を吸収したり、身体を前へ進める力につなげたりしています。
ところが妊娠中の体重増加や姿勢の変化などによって足への負荷が増えると、このアーチにも負担がかかります。足部が内側へ倒れ込みやすくなったり、アーチがうまく機能しにくくなったりすると、足底腱膜にも負担がかかりやすくなります。
そしてここで重要なのが、このアーチや足部の変化は、足だけでなく身体全体に関わってくるということです。
足が内側へ倒れると、その上では何が起こる?
身体は、足・膝・股関節・骨盤と別々に動いているわけではありません。足部の動きは、その上にある膝や股関節の動きとも連動しています。
たとえば足が必要以上に内側へ倒れ込むような状態になると、すねの骨も内側へ回旋しやすくなります。
その影響は膝、さらに股関節へと伝わっていきます。反対に、股関節や骨盤がうまく身体を支えられていないために、その影響を足部が受けているケースもあります。
つまり、「足が崩れたから上半身が崩れる」という一方向だけではありません。
上からの影響が足に出ることもあれば、足からの影響が上へ伝わることもあります。身体はひとつのつながりとして動いているからです。
産後すぐに始まる抱っこ生活
出産すると妊娠中の体重は徐々に戻っていきます。では、足への負担もすぐ妊娠前に戻るのでしょうか。必ずしもそうとは限りません。産後すぐに始まるのが「抱っこ」です。
赤ちゃんは最初こそ軽いですが、どんどん成長します。その赤ちゃんを抱いた状態で立つ、歩く、家事をする。つまり産後の身体は、自分自身の体重に加えて、赤ちゃんの体重も支えることになります。
しかも抱っこでは、いつも身体の正面で左右均等に持っているとは限りません。
- 右の腰に乗せる
- 左手で抱えて家事をする
- 疲れてくると骨盤を前に突き出して、その上に赤ちゃんを乗せるように立つ
こんな姿勢になっていることもあります。すると左右の足にかかる体重も均等ではなくなります。「右のかかとだけ痛い」という場合、痛い右足だけを見るのではなく、普段どちら側で抱っこしているのか、どちらの脚に体重を乗せて立っているのかまで確認すると、身体の使い方の特徴が見えてくることがあります。
足首の硬さ
歩くとき、足首にはある程度の動きが必要です。
足首がしっかり曲がり、すねが前方へ傾く動きが必要です。この動きが硬くなると、足が外を向いたり、足部が内側へ倒れ込んだりして、別の場所で動きを補うことがあります。
特に身体が前へ移動するときには、すねが足の上を前方へ進むような動きが起こります。この動きが十分に出ないと、身体は別の場所で動きを補おうとします。
足が外側へ向いたり、足部が必要以上に内側へ倒れたり、膝や股関節で代償したり。そうした動きが繰り返されれば、結果として足裏の一部分に負担が集中することも考えられます。
ですので「足裏が痛い」という方を見るときに、足裏を押して痛いかどうかだけではなく、足首はきちんと動いているか?足の指は使えているか?片脚で立ったときにどうなるか?膝や股関節はどのように動くか?
なども重要なチェックポイントになります。
痛い部分だけでなく全体を診る
かかとが痛ければ、どうしてもかかとに意識が向きます。もちろん、痛みが出ている部分の状態を確認することは大切です。
しかし、それだけではなく、「なぜ右だけ痛くなったのか?」「なぜ産後になって痛み始めたのか?」「歩くとき、身体のどこに負担が集中している?」と考えていくことも大切です。
足部のアーチや足首の動き。膝の向き。股関節の動き。骨盤の安定性。立っているときの重心。そして抱っこをしたときの姿勢。
こうした身体全体のつながりを確認し、負担が集中している原因を探していくことが、カイロプラクティックで身体を見るときの大切な考え方のひとつです。
そのうち治るかもと我慢しながら生活をしていると、痛みを避ける歩き方が癖になってしまうこともあります。
すると、今度は膝や股関節、腰など、別の箇所へ負担が広がっていく可能性もあります。足は毎日、私たちの身体を一番下で支えてくれている大事な部分です。
産後に足裏やかかとの痛みが続いている場合は、「足だけの問題」と決めつけず、一度身体全体のバランスにも目を向けてみてください。
また、強い痛みや腫れがある、安静にしていても痛む、しびれがある、痛みが長く続くなどの場合には、他の疾患が隠れている可能性もありますので、まず医療機関への受診をおすすめします。
産後の身体は、妊娠前とまったく同じではありません。妊娠中から続いてきた身体の変化と、出産後の抱っこや育児という新しい身体の使い方。その両方を見ながら、「どこが痛いか」だけではなく、「なぜそこに負担がかかったのか」を考えていくことが大切です。
気になる症状がありましたらお気軽に西船橋駅前整体院へご相談ください。
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